第一記:入部

小説か・・・ちょっと大げさな名前ですね。
語り手としてはちょっと照れちゃいます(^^;
え、お前は誰だ?いずれお話しできると思います・・・多分。

ある年の4月
ある若者がある大学に入学した。
わずかに日焼けした体はガッチリ長身。
若者の名は真黒有児(まぐろゆうじ)、
そして、大学の名は・・・
熱血大学、木造建築ののどかな雰囲気を持つ大学だが、
剣道部、相撲部、陸上部など、体育会は凄まじい成績を誇っている。
・・・ただひとつ、野球部を除いては。

長いようで短かった高校3年間。
高校では野球に勉学に燃えた。
少なくとも自分なりには全力をつくしたつもりだ。
そして、今日、熱血大学に入学した。
もちろん、大学でも、野球に勉学に燃えるつもりだ。

彼は緊張しながらも部室のドアを叩く、そこに待ち構えていたのは
太い眉毛に細い目、頑固そうな風貌・・・だが。

「オレは、キャプテン兼監督の勝だ。
数ある体育会の中から野球部を選んでくれてサンキュー!」

見た目よりも気さくでいい人だ!
監督も兼任するほどの才能も持ってるようだし、
俺の4年間はいい人の下で始められそうだ、しかし気になることが1つ。

「あ、あのー、先輩以外の方は・・・」

そう・・・他の野球部員が見当たらない。やる気がないのか?

「今、ここにいるメンバーが野球部全員だ!
心配するな。もう少ししたら新入部員がどっと、入ってくるさっ!」

・・・前言撤回、どうやらここの野球部は監督もいないらしい。
しかもこの人、大して勧誘もしてなかったし。
でもまぁ、日本一人気を誇るスポーツ、野球だ。
いくらなんでも部員が2人なんてオチはないだろう・・・

「そうですね」

「ところで、真黒って言ったな、野球の経験はどうだ?イケるのか?」

「はい、中学時代から投手をやってました。いわゆる直球バカなんで、147km/hは出せますよ」

自分で言うのもなんだが、才能はあると信じている。
子供の頃からずっと野球をやってきたやつらを、今まで負かしてきたのだから。

「おおっ、そりゃすごいじゃないか!もしかしたら今年は1勝くらいできるかもな」

1勝!?・・・甲子園こそ逃したものの、スカウトに声をかけられたこともある俺が
なんでこんな大学にはいっちまったんだろう、スポーツが盛んで有名なのに
なんで・・・なんで野球部だけこんなに悲惨なんだ!?
いや、何より俺が悲惨すぎる・・・新入部員、上手いやつ来てくれ!頼む!!

続く

キャラクターデータ
真黒有児 右投右打、オーバースロー
球速:147km/h、スタミナ:D、制球:C
変化球:カーブ3
特殊能力:センス○、クイック×、ピンチ×
野手能力:EDDCE